森健編集『反動世代―日本の政治を取り戻す』(中野剛志、三橋貴明、柴山桂太、施光恒)を読みました。
反動世代―日本の政治を取り戻す



ジャーナリストの森健氏が編集した、言論界で活躍する4名のインタビュー集です。中野剛志、三橋貴明、柴山桂太、施光恒の40代前半の4名です。私も4名と同世代であり、4名の人物像や主義や思想に非常に興味がありました。

「彼らがどのように思考形成され、なぜ言論活動をするに至ったかという過程を明らかにすることが主たる目的とした」と森氏と述べているように、4名の生い立ちや半生から思考の変遷がまとめられています。また西部邁や佐伯啓思との系譜についても知ることができました。

思考形成の経緯だけでなく、4名の主張についても一端を知ることが出来ました。簡単に言えば、新自由主義に懐疑的であり、反グローバリズム、反TPP、反構造改革、デフレ脱却、積極的な財政出動などを主張しています。

タイトルの「反動世代」とは、「僕らの場合、純粋な保守というより、右にも左にも跳ね返ったあげくの(保守)反動という感じに近いですからね」という中野剛志の言葉から生まれたそうです。「右にも左にもいろんな方面に批判をつきつけ、物議を醸している現状」に合っていると森氏が述べています。

(目次)
第1章 官僚で「保守」の異端児は「企業よりも国民、世の中のために動く」 中野剛志
所属する組織に反旗を翻す官僚
英国留学、社会主義の伝統を身につける
実践への応用や経験主義の議論を求めて
第2章 国民のパワーを結集して新政権後の日本をつくる 三橋貴明
異色の経済評論家として
転職につぐ転職、デビュー作は異例の売れ行き
安倍首相の正しい選択、間違えた選択
雇用の創出は市場が決める
第3章 歴史から世界システムの崩壊とグローバル化を読み解く 柴山桂太
歴史家としての視点
経済思想を学ぶということ
新しい危機
第4章 リベラル・デモクラシーの理念と地域の文化的資源を語る 施光恒
不安定で揺れる自我の持ち主、日本
グローバル化の弊害
国家の重要性


各自の思考や思想から正しいと導き出された視点を言論として主張とする覚悟を感じ取ることができました。