gon1609DSC05439 伊勢地方の民謡「伊勢音頭」で「伊勢は津でもつ、津は伊勢でもつ 尾張名古屋は城でもつ」と歌われるほど、名古屋城は名古屋の象徴的存在です。現在、昭和20年に空襲で焼失した「本丸御殿」の復元工事が行われています。



復元工事は平成21年(2009)1月から始まり、平成30年(2018)の完成を予定しています。天守閣は昭和34年(1959)に再建されたものです。

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焼失前、武家風書院造の本丸御殿は「近世城郭御殿の最高傑作」とされ、国宝に指定されていました。本丸御殿は、江戸時代の文献や写真、実測図が残っていることから、忠実に再現することが出来るそうです。

また、部屋によって異なる題材で床の間絵、襖絵などが彩られていました。豪華絢爛な床の間絵や襖絵などの多くは、取り外すことが出来たために焼失を免れ、大切に保管されているそうです。その絵は、狩野貞信や狩野探幽など「狩野派」の絵師たちのもので、1,047面が重要文化財に指定されています。

豪華絢爛な床の間絵や襖絵などは”名古屋城本丸御殿障壁画復元模写制作共同体(愛知県立芸術大学日本画保存模写研究会および加藤純子氏)”により模写され、復元されています。


本丸御殿は一部が公開され、名古屋城の入場料(500円)を払えば見学が出来ます。公開期間や公開区域は要確認。



玄関 一之間
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一乃間の床の間と違棚

玄関 二之間
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玄関一之間と二之間は正客がまず通される部屋です。襖や壁には虎や豹が描かれた「竹林豹虎図(ちくりんひょうごず)」が迎えます。



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木材は木曽檜(ひのき)が多く使われ、檜の香りに包まれます。この香りは、ここ数年だけ特権ですね。



表書院 三之間
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「麝香猫」

表書院 一之間(奥に見える一段高いところが上段之間)
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表書院 上段之間
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「桜花雉子」

藩主と家臣などが正規に謁見する部屋が表書院です。上段之間から一之間、二之間、三之間、納戸之間に分かれています。表書院は主に花鳥画で飾られ、一之間には「桜花雉子」、三之間には「麝香猫」が描かれるが描かれていました。
一之間は装飾も豪華です。


対面所 次之間
gon1609DSC05443風俗図[勅使参詣・船下ろし]

対面所 上段之間
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対面所は、藩主と身内など内々の対面や宴席の場として使用された部屋です。風俗図が描かれ、洛中や洛外の年中行事、庶民の生活が描かれています。



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徳川家康が九男義直の居城として築いたのが名古屋城です。慶長15年(1610)、西国諸大名による天下普請で築城が始まります。天守台石垣は加藤清正が普請助役として築きました。
加藤清正と言えば熊本城ですが、熊本城とは全く趣きが違います。戦うための城と威信を示すことに主眼を置いた城の違いの様に思えます。

本丸御殿が完成すれば、三代名城として更に威厳が高まり、名古屋の象徴として一層存在感が増すのではないでしょうか。